レム睡眠とノンレム睡眠は何が違うの?それぞれの特徴や違いについて解説!
レム睡眠とノンレム睡眠。誰もが聞いたことのある言葉ですが、あなたはこの2つの違いをご存知でしょうか。レム睡眠とノンレム睡眠には明確な違いがあります。またそれぞれの役割も異なるのです。
今回はレム睡眠とノンレム睡眠の違いについて解説します。特にレム睡眠中に起こりうる病気について、原因や対処方法、治療方法などについてまとめました。
現在、睡眠障害などでお悩みの方、レム睡眠やノンレム睡眠に関して知識を深めたい方は参考にしてみてください。
1. レム睡眠とは
2. ノンレム睡眠とは?
3. レム睡眠とノンレム睡眠の関係
4. レム睡眠に関連する病気とは?
5. レム睡眠行動障害の原因は
6. レム睡眠行動障害の検査方法は?7. レム睡眠行動障害の対処方法・治療方法は?
8. まとめ
| レム睡眠とは
レム睡眠とは、 「急速眼球運動(Rapid Eye Movement= REM)」を伴う睡眠のことであり、一般的に浅い眠りと言われています。身体は眠っていますが、脳は起きており、記憶の整理などを行っている状態です。
目覚めの準備段階であるため、レム睡眠中に起きると、すっきりした目覚めになりやすいと言われています。レム睡眠は、精神的な安定や脳の活性化のために重要な睡眠です。
特に成長期の子供にとってはレム睡眠をとることが大切になります。
| ノンレム睡眠とは?
ノンレム睡眠とは、深い眠りの状態となる睡眠のことです。
ノンレム睡眠中は、成長ホルモンの分泌による免疫機能の向上や体内組織の修復などの効果があります。ノンレム睡眠は眠りの深さに応じたステージがあり、主なステージは以下3つです。
- 小さい音で起きてしまう浅い眠り
- 寝息を少し立てる程度の浅い眠り
- 音が発せられても起きない程度の深い眠り
眠りが深いほど、脳と身体がリフレッシュされ、疲労回復の効果が得られます。
| レム睡眠とノンレム睡眠の関係
レム睡眠とノンレム睡眠は、 90分〜120分の周期で交互に繰り返されます。この周期をバランスよくとることで、良質な睡眠が行えるのです。
一方で周期が不規則になると、精神的に不安定になったり、思考力が低下したりします。場合によっては体調不良に陥ることもあるでしょう。
ではバランスのとれた周期とはどのような状態を指すのでしょうか。
バランスのとれた周期とは、レム睡眠とノンレム睡眠を 4回〜5回程度繰り返す周期のことです。睡眠時間としては、 7時間〜8時間が理想的でしょう。
| レム睡眠に関連する病気とは?
レム睡眠に関連する病気を4つ解説します。
1つ目は、レム睡眠行動障害です。
夜間の浅いレム睡眠中に異常行動が起こります。レム睡眠行動障害の主な症状は以下です。
- 幻覚
- 幻聴
- 多動
- 興奮
中高年の方に発症することが多く、パーキンソン病やレビー小体型認知症などの神経変性疾患と関連が深いとされています。
睡眠中は激しい動きを伴うことがあり、一緒に寝ている家族に怪我が及ぶ可能性があるため、 早期治療が必要と言えるでしょう。
2つ目は、夜驚症です。
夜間の深いレム睡眠中に異常行動が起こります。夜驚症の主な症状は以下です。
- 叫び声をあげる
- 不安に駆られる
- 頻脈
- 呼吸促迫
- 発汗
- 体動
小児に発症することが多く、成長とともに症状が自然と改善するケースがあります。一方で重度の夜驚症の場合は、薬物療法で改善を図るケースもあるでしょう。
3つ目は、睡眠時遊行症です。
別名、夢中遊行症と言われます。夜間の深いレム睡眠中に異常行動が起こる病気です。
睡眠時遊行症の主な症状としては「睡眠中にベッドから突然起き上がり、30分ほど歩き回る」といった症状が見られます。
ドアを開けたり、障害物を避けたりする行動が起きるため、本人に自覚症状があるように思えますが、実際はありません。事実、翌朝起きた時に昨夜の記憶はないのです。
小児に発症することが多く、話しかけても呼び止めることが難しい病気とされています。
4つ目は悪夢障害です。
悪夢障害の方の場合、毎日悪夢をみるのが怖くて眠れなくなるケースが多くなります。
主な原因は ストレスです。悪夢の内容を起床後も覚えていることが多いため、日中思い出してストレスが高まることもあります。悪夢障害は、年齢や性別問わず、誰でも起こりうる病気です。
| レム睡眠行動障害の原因は
レム睡眠行動障害に関連する病気の主な原因は、以下です。
- アルコール依存
- 睡眠不足
- 薬の副作用
- パーキンソン病
- レビー小体型認知症
- オリーブ橋小脳萎縮症
- 多発性硬化症
- くも膜下出血
- 脳幹部の腫瘍
レム睡眠関連における病気の原因は完全に解明されておらず、原因不明の症状も多く存在します。
| レム睡眠行動障害の検査方法は?
レム睡眠行動障害に関連する病気の主な検査方法は以下です。
- 血液検査
- 週者睡眠ポリソムグラフィ検査
- 頭部MRI検査
病気の症状や進行状況に応じて受けるべき検査は異なります。主治医の先生の指示を仰ぎましょう。
| レム睡眠行動障害の対処方法・治療方法は?
レム睡眠行動障害に関連する病気の主な対処方法としてまずやるべきことは、ご家族の方が睡眠障害の方に対してフォローすることです。
睡眠障害の方が異常行動を伴う場合は、対象者をすぐに起こしてください。なぜなら、放っておくと対象者が怪我をする場合があるからです。
また対象者とベッドを同じにしている方が怪我をする場合もあります。対象者と一緒に寝ている場合は、ベッドを分けるのも1つの手段となるでしょう。
また、対象者が体動し、ベッドから転倒する場合があります。対策としては、ベッドの高さを低いものに変更したり、ベッドから布団に切り替えたりする方法があるでしょう。
根本的な治療方法としては、 薬物療法がメインとなります。抗うつ薬や睡眠薬、漢方薬などが主な治療薬です。
人によって副作用が生じる場合があるため、主治医の先生に相談の上、適切な薬を服用ください。
日常生活の中でストレス軽減となる習慣を行うことも重要です。たとえば日常的に散歩をしたり、運動をしたりすることでストレス軽減につながります。
また適度な運動をすることで、睡眠ホルモンであるメラトニンが夜間に分泌されやすくなるため、睡眠の質が上がるでしょう。散歩や運動時に太陽の光を浴びるのも、メラトニンを分泌させるのに効果的です。
メラトニンの分泌を促進し、睡眠の質を上げることが、睡眠障害防止の方法になります。
| まとめ
今回は、レム睡眠とノンレム睡眠の違いについて解説しました。レム睡眠は、精神的な安定や脳の活性化のために重要な睡眠です。
特に成長期の子供にとってはレム睡眠をとることが大切になります。
ノンレム睡眠は、成長ホルモンの分泌による免疫機能の向上や体内組織の修復などのために重要な睡眠です。レム睡眠とノンレム睡眠は90分〜120分の周期で交互に繰り返されます。
この周期をバランスよくとることで、睡眠の質向上が期待できるでしょう。
適切な睡眠時間としては7時間〜8時間。レム睡眠とノンレム睡眠の適切な周期としては、4回〜5回繰り返す程度が望ましいでしょう。
レム睡眠に関連する病気としては以下が挙げられます。
-
- レム睡眠行動障害
- 夜驚症
- 睡眠時遊行症
- 悪夢障害
対処方法としては、対象者をすぐに起こすことや体動による転倒防止のためにベッドを低くするなどの方法が挙げられます。
また根本的な治療方法としては、薬物療法が一般的でしょう。日常生活で行える治療方法としては、散歩や運動、睡眠の質を上げることです。
睡眠障害を抱える方は、日常生活から意識して改善を図っていきましょう。
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