一人暮らしの家族が認知症に!対応方法や利用できるサービスについて知っておこう!

健康予防

 ご家族の方が認知症になると、「このまま一人暮らしをさせて大丈夫なのだろうか?」「介護する余裕はないから、なにかサービスを利用できないか」など、不安に思う方が多いかと思います。

 サービスを使うのはよい方法ですが、具体的にどのような支援を受けられるのかわからない方も多いでしょう。そこで今回は、認知症の方が利用できるサービスについて詳しく紹介します。認知症のご家族との接し方や心得についても紹介しているので、こちらも参考にしてみてください。





| 認知症とは

 認知症とは、認知機能が低下することで物忘れが多くなり、日常生活に支障を来たしている状態のことです。ひとくちに「認知症」といわれることが多いですが、次のようにいくつか種類があります。

  • アルツハイマー型認知症
  • 血管性認知症
  • レビー小体型認知症
  • 前頭側頭葉型認知症

 このうちもっとも患者さんが多いのが、 アルツハイマー型認知症です。アルツハイマー型認知症では、アミロイドβというタンパク質の蓄積や神経原繊維変化が見られます。

 血管性認知症とは、脳梗塞や脳出血が原因で起こるものです。レビー小体型認知症は、大脳皮質に レビー小体というタンパク質が蓄積することで発症します。認知症の患者さんのうち、約20%はレビー小体型認知症です。幻視が起きたり動作がゆっくりになったりなどの症状がよく見られます。

 前頭側頭葉型認知症は前頭葉と側頭葉が徐々に萎縮することで起こるものです。65歳未満と比較的若い方で発症します。

 認知症の症状は、 中核症状 行動・心理症状(BPSD)に大きくわけられます。行動・心理症状は中核症状に伴って見られる症状です。ただし、必ず中核症状と行動・心理症状が同時に見られるわけではありません。人によっては行動・心理症状は出ないこともあります。

〈中核症状〉

  • 数分前のことを覚えていない
  • 同じことを何度も聞いてくる
  • 物をよくなくす
  • 同じものを何個も買ってくる
  • 道に迷うことが増える
  • 季節に合わせた服装を選べなくなる
  • 今日の日付や曜日がわからなくなる
  • 話の内容を理解しづらくなる
  • 失禁が増える

〈行動・心理症状(BPSD)〉

  • イライラして怒りっぽくなる
  • 誰もいないのに誰かがいると言うようになる
  • うつ状態になる
  • 不安がったり怖がったりするようになる
  • 物が盗られたと言うことが増える


| 認知症の方への接し方

 認知症の方と接するときは、次のことに気をつけましょう。そうすることで、患者さんを不安にさせたり怒らせたりすることなくスムーズにコミュニケーションが取れるようになります。

否定しない

 認知症の方は、「◯◯がなくなったのは誰かが盗ったからだ」「あそこに誰かいる」など、現実にはありえないことを言います。「盗られたのではなく、あなたがなくしたんだよ」「そこにあるのは人じゃなくて服だよ」と言いたくなることがほとんどでしょう。

 しかし、相手が言うことを否定してはかえって逆効果です。認知症の方からしたら、盗られたのも誰かいるように見えるのも事実なのです。事実を否定されると、嫌がらせをされている、自分のことはどうでもいいのだと感じてしまい、余計に認知症の言動が悪化することがあります。

・怒らない

 数分おきに「◯◯は何時からだっけ?」のように同じことを何度も何度も聞かれると、ついついカッとなって怒ってしまうこともあるでしょう。しかし、怒るのも認知症の方にとっては逆効果です。

 認知症の方からしたら、「今初めてこの質問をしたのに、なぜ怒られないといけないの?」と感じてしまいます。

自分の扱いだけ冷たいと感じ、行動・心理症状が悪化することもあるので、怒らないようにしましょう。「◯◯の時間はこちらで覚えておくから大丈夫だよ」と声をかけてあげると安心してくれます。

・無視しない

 認知症の方の介護を続けるのは、とても大変なものです。ストレスもかなり溜まるかと思います。しかし、認知症の方が何か話しかけてくることに対して、無視をするのはよくありません。無視をしても、本人はなぜ無視をされているかまったくわからないためです。

 「無視されるようなことはしていないのに」「嫌われてしまったのだろうか」と感じ、症状の悪化を招くため簡単でもいいので返事はするようにしましょう。


| 認知症の人に対する心得

 認知症の方と接するときは、ちょっとしたことに気をつけるだけで相手も自分も過ごしやすくなります。

・大きな声でゆっくり話す

 認知症の方は、私たちが普段何気なく話していることがものすごく早口に聞こえていることがあります。早すぎてうまく聞き取れず、内容を理解できないことも少なくありません。そのため、できるだけゆっくりと、大きな声で話すように心がけましょう。

・本人も「覚えよう」と努力していることを忘れない

 同じことを何度も何度も聞いてくるのは、忘れてはいけないと強く意識しているためです。「忘れたらダメだからしっかり確認しよう」と思うあまり、何度も同じことを聞いてしまいます。聞かれるほうも大変かとは思いますが、本人が必死に覚えようとしていることは認めてあげてください。

・日常生活に工夫を取り入れる

 今日の日付や曜日がわからないのなら、今日の日付がわかるカレンダーを見えやすいところに置きましょう。失禁が増えているのであれば、お手洗いに行かないかこまめに声かけをしたり、夜でも一人で行けるように通路の電気をつけておいたりすると効果的です。


| 認知症の方が受けられる支援サービス

 では、ご家族の方が認知症になった場合、どのような支援サービスが受けられるのでしょうか。一人で介護をするのも大変ですので、使えるサービスはぜひ活用していきましょう。

・訪問介護

 介護員が自宅を訪問し、食事や排泄、入浴や調理など生活の一部を支援するサービスです。利用時間によって料金が異なります。

・訪問看護

 看護師が自宅を訪問し、健康状態の確認をするサービスです。健康状態が悪化しないよう、サポートを行います。

・訪問リハビリテーション

 要介護1以上の方を対象に、理学療法士や作業療法士などによるリハビリを受けられるサービスです。介護保険や医療保険を使って利用できます。

・訪問入浴

 一人で入浴するのが難しい場合、介護員が入浴のサポートを行うものです。簡易浴槽を使い、入浴を支援します。


| 認知症患者の家族向け支援

 認知症の方を見るご家族の方向けの支援もいくつかあります。どうしても介護できないときや、毎日介護するのがつらいと感じるときは、次のような支援を活用してみてください。一人で見る時間が減るので、ストレス軽減にもつながります。

・デイサービス

 食事や入浴などの支援を行う通所サービスです。日常生活を介護するだけでなく、楽しく過ごせるように書道や生花、体操などさまざまな行事も行われます。

・デイケア

 身体機能の回復や維持を目的とした支援を受けるための通所サービスです。医療やリハビリに特化しており、福祉用具のアドバイスや健康チェックなども受けられます。

・特別養護老人ホーム

 常に介護が必要な方に対して、入浴や食事などのサポートを行う入所施設のことです。要介護3以上から入所できます。

・グループホーム

 認知症のある方が少人数で共同生活を送りながら暮らしていく施設のことです。少人数制のため、環境の変化が苦手な方でも安心して過ごせます。

・ショートステイ

短期間のみ施設で過ごし、入浴や食事などの支援を受けるサービスです。介護が一定期間難しくなった場合、その期間のみ施設に入所させることができます。


| まとめ

 一人暮らしの家族が認知症になった場合、初期の段階ならそのまま一人暮らしを続けられることもあるでしょう。しかし、症状が進んできた場合は、ショートステイやデイサービスなどの利用も考えてみてください。介護の負担が減るので、お互いが穏やかに過ごせるようになります。

 認知症の方と接していると何度も同じことを聞かれたりありもしないことを言われたりしますが、否定せず怒らないようにし、できるだけ発言を認めてあげてください。そうすることで安心感を覚えて認知症の症状がやわらぐケースもよくあります。

 

文/岡本 妃香里

 

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