理想的な睡眠時間って何時間なの?自分にあった睡眠時間を設定しよう!
「結局、睡眠って何時間取ったらいいの?」「睡眠不足が続くとどうなるの?」
睡眠は私たちにとって欠かせないものです。人間は1日の終わりに必ず睡眠を取ります。しかし、人によって睡眠時間はさまざまです。自分にとって何時間睡眠が適切なのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、どれくらいの睡眠時間が理想的なのか、睡眠時間が短いことと長いことにはそれぞれどのようなデメリットがあるのかについて解説します。
1. 睡眠時間について不満を感じている人の割合
2. 長時間睡眠のデメリット
3. 短時間睡眠のデメリット
4. 理想的な睡眠時間のチェック方法
5. 理想的な睡眠時間のためにすべきこととは
6. まとめ
| 睡眠時間について不満を感じている人の割合
厚生労働省によると、「睡眠で休養が取れていない」「不眠症状がある」方は、5人に1人の割合でいるそうです。60歳以上になると、さらに睡眠に不満をもつ方の割合が高くなり、約3人に1人が悩みを抱えているといわれています。
入眠障害や中途覚醒などが起こることで知られる不眠症は、もはや国民病とも言えるのです。睡眠障害のために通院している方の5%は睡眠薬を服用しています。不眠症と聞くとなにか特別な病気のように感じてしまうかもしれませんが、実はとてもありふれたものなのです。
しかし、睡眠時間そのものはあまり気にしすぎる必要はありません。なぜなら、人によって必要な睡眠時間が異なるためです。数時間だけ寝ればよい方もいれば、長く寝ないと疲れが取れない方もいます。一概に「◯時間以上は寝ましょう」と言うことはできません。
そのため、疲れが取れていたりしっかり眠った感じがあるのなら、睡眠時間をむりに増やしたり短くしたりする必要はないでしょう。
ただし、睡眠時間が短すぎたり長すぎたりすることには、健康面を考えるとどちらもデメリットがあります。そのため、無理のない範囲でちょうどよい睡眠時間を取るように心がけてみてください。
| 長時間睡眠のデメリット
寝不足が体に悪いイメージをもっている方は多いかと思いますが、実は寝すぎにもデメリットがあります。
- 死亡リスクが上がる
- 頭痛
- 疲労感
睡眠時間と死亡リスクの関係性を見てみると、7時間睡眠の方でもっともリスクが少なくなっています。逆に睡眠時間が短い方ほど、また長い方ほどリスクが高くなるため、適度な睡眠を取る大切さがわかるでしょう。睡眠時間は8時間取るべきと言われることが今でもまだありますが、死亡リスクだけを見ると実は8時間という数字にあまり意味はないのです。
ちなみに、「令和3年度 健康実態調査結果の報告」によると、日本人の睡眠時間は次のようになっています。
このデータを見ると、「6時間以上~7時間未満」の方がもっとも多いことがわかります。もう少しだけ睡眠時間を増やせば、死亡リスクがもっとも低くなる7時間睡眠を取れる方が増えるのです。逆にいえば、睡眠時間がたりていない方が日本では多いということになります。
長時間睡眠は死亡リスクを増加させるほか、頭痛や疲労感の原因にもなるので注意しましょう。寝過ぎると、脳の血管が拡張しやすくなります。すると、拡張した血管によって神経が刺激されるため、頭痛が起こりやすくなるのです。
また、寝すぎることで睡眠サイクルが乱れ、体が時差ボケのような状態になり疲労感を覚えることもあります。同じ姿勢でずっと寝続けることで、血行不良が起きて筋肉痛になる方もいるでしょう。このように長時間睡眠は、死亡リスクを上げたり頭痛や疲労感の原因になったりします。
| 短時間睡眠のデメリット
- 死亡リスクが上がる
- 血圧が上がりやすくなる
- 脂質異常症になりやすくなる
- 糖尿病になりやすくなる
- 体重が増えやすくなる
- うつ病になりやすくなる
- 認知症になりやすくなる
短時間睡眠でも死亡リスクは上がるので注意しましょう。「令和3年度 健康実態調査結果の報告」を見ると、睡眠時間が「6時間以上~7時間未満」の方に次いで多いのが「5時間以上~6時間未満」の方です。全体で23.9%の方は1日に6時間も睡眠時間を確保できていません。
睡眠時間が短いほど死亡リスクも上がるため、できるだけ7時間睡眠に近づけることが大切です。このほか、睡眠障害によって高血圧や脂質異常症、糖尿病や体重増加のリスクが上がることもわかっています。つまり睡眠不足は、生活習慣病とも大きな関係があるのです。
2020年の日本人の死因は、1位が悪性新生物(がん)、2位が心疾患、3位が老衰で4位が脳血管疾患でした。悪性新生物や心疾患、脳血管疾患はどれも生活習慣が関係している病気です。睡眠不足も死因と大きな関係があるといえます。このほか、短時間睡眠はうつ病や認知症のリスクも上げるので注意しましょう。
うつ病とは、何をしても楽しいと感じなかったり眠れなくなったりする病気のことです。睡眠時間がたりていない方のなかには、知らず知らずのうちにうつ病になっている方もいます。睡眠不足が原因でうつ病になり、うつ病のせいで眠れないという悪循環に陥ることも珍しくありません。
認知症は、認知機能が衰えることで日常生活に影響が出ている状態のことです。軽い物忘れで済むこともありますが、症状が進むと出かけ先で迷子になったり、失禁が増えたり、寝たきりになってしまったりすることもあります。
| 理想的な睡眠時間のチェック方法
理想的な睡眠時間は、年齢によって異なります。また、その人の体質によっても異なるため、「◯時間寝れば理想的です」と一律で定めることはできません。
10歳までは8~9時間、15歳で約8時間、25歳で約7時間、45歳で約6.5時間、65歳で約6時間が平均的な睡眠時間です。
今の自分の睡眠時間と比べてどうでしょうか?死亡リスクを考えると7時間睡眠が理想ですが、必要な睡眠時間は人それぞれ違うので平均時間を参考に睡眠を取ってみてください。
もし、昼間にうとうとと眠くなっているようでしたら、睡眠時間がたりていないか質が悪い証拠です。では、質のよい睡眠を取るためにはどうしたらよいのでしょうか。
| 理想的な睡眠時間のためにすべきこととは
寝付きをよくし、睡眠の質を高めるために次のことを心がけましょう。
- 毎日同じ時間に寝て同じ時間に起きる
- 有酸素運動を行う
- 就寝の2~3時間前に入浴する
- 朝起きたら日光を浴びる
- 夜に強い光を浴びない
- 就寝前の食事を控える
- 就寝前の喫煙や飲酒を控える
まずは、毎日同じサイクルで寝たり起きたりすることが大切です。規則正しい生活を行うことで体内時計が整うため、すっきりと寝やすくなります。適度な運動を行うのも効果的です。激しい運動はかえって睡眠を妨げてしまうため、軽い有酸素運動がおすすめです。
入浴は就寝の2~3時間前に済ませましょう。入浴で体温を一旦上げることで深い睡眠を得やすくなります。体内時計を整えるために朝起きたら日光を浴び、寝る時間が近づいてきたら部屋の明かりを暗くしましょう。寝る前に強い光を浴びると、体内時計が乱れてしまいます。就寝前の食事や喫煙、飲酒を控えるのも大事です。
| まとめ
死亡リスクのみを見た場合、7時間睡眠がもっとも理想だといえます。しかし、必要な睡眠時間は人によってまったく異なるものです。3時間睡眠でたりる方もいれば10時間寝ないと眠気が残ってしまう方もいます。お昼に眠くなることが多いようでしたら、睡眠時間が足りていない証拠です。眠気が出ない程度に睡眠時間を確保しましょう。
参考:不眠症| e-ヘルスネット(厚生労働省)
快眠と生活習慣| e-ヘルスネット(厚生労働省)
令和3年度 健康実態調査結果の報告 P21
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