認知症グループホームとは?入居条件や施設の特徴についてご紹介します!
認知症グループホームには最大で9名のユニットにて、スタッフの支援を受けつつ共同生活を送る介護施設が該当します。施設の所在する市区町村に住民票を持つ、要支援2以上の高齢者で認知症の方が対象です。
ここでは、認知症グループホームの入居条件や施設の特徴についてご紹介します。
1. 認知症グループホームの施設の特徴
2. 認知症グループホームの入居条件
3. 認知症グループホームにて退去が求められるケース
4. 認知症グループホームの費用相場
5. 認知症グループホームの月額費用
6. まとめ
| 認知症グループホームの施設の特徴
認知症グループホームの正式名称は「認知症対応型共同生活介護施設」です。名前からイメージできる通り、介護スタッフの支援のもとに認知症の方が共同生活を営む施設を指します。
1ユニット 5名から9名、最大3ユニットの合計 15名から27名が定員です。
ユニットは次のパターンでスペースが設けられています。
- 居室(個室)※床面積7.43㎡以上/収納スペースは除きます
- トイレ(共有)
- 浴室(共有)
- 食堂(共有)
たとえば施設の1階をひとつのユニット、2階を別のユニットという形にて、できるだけ同じメンバーで日々を過ごすことができるように作られています。認知症の方は往々にして、急な環境の変化に対応することが難しいことがその理由です。
ユニット内のメンバーごとに洗濯や清掃、調理などの役割をそれぞれに任せることで、少しでも個々の自立につながるような配慮が施されています。
| 認知症グループホームの入居条件
認知症グループホームには誰もが入居できるわけではありません。
以下の条件のすべてを満たす方のみに入居が認められます。
- 高齢者(65歳以上)であること
- 要支援2以上、要介護1から5に認定されている方
- 医師から認知症と診断された方
- 施設の所在する市区町村に住民票が登録されている方
- 集団生活を営むことに支障をきたさない方
認知症グループホームは地域密着型サービスに該当することから、施設の所在する市区町村に住民登録されている方が対象となります。
医師による認知症の診断については証明書の発行が必要です。ほかにも認知症グループホームごとに入居条件が設けられており、特に集団生活を営むことが可能であるか?についてはきちんと確認することをおすすめします。
| 認知症グループホームにて退去が求められるケース
認知症グループホームでは、他の入居者との共同生活が基本です。そのため、以下に当てはまる方の場合には施設を退去することが求められます。
- 他の入居者やスタッフへの暴力や暴言
- 自傷行為
- 他の入居者に対する迷惑行為
- 利用料金の支払いが困難になった場合
- 疾病や怪我などによる長期入院
- 医療行為が必要な健康状態の方
- 施設内に持ち込み不可となっている物品の持ち込み
認知症グループホームは、医師や看護師の配置が義務付けられていない介護施設です。そのため、医療行為が必要な健康状態の方の場合には、入居前にお断りされることもあるかもしれません。
施設ごとに感染症の罹患などの退去要件を設けているところもあるようです。
認知症グループホームの退去要件については、入居時の 契約書や重要事項説明書に記載されています。法律の文言なども含まれていることから、読みにくいと感じる方もいるかもしれません。トラブルを未然に防ぐためにも、きちんと最後まで読むことが大切です。
| 認知症グループホームの費用相場
認知症グループホームへの入居に関する費用には、 初期費用と月額費用があげられます。アパートやマンションなどの賃貸物件との契約をイメージすると理解しやすいかもしれません。
認知症グループホームの初期費用
認知症グループホームの初期費用の相場は、 0円から数百万円です。認知症グループホームの初期費用は、入居一時金もしくは保証金と呼ばれます。賃貸物件の「敷金」に相当する費用です。
そのため、認知症グループホームの退去時には、原状回復費用や未払いの月額費用などをを差し引いた金額が返還されます。返還金額は施設ごとに定められた償却期間や、償却率に基づいて算定されるのが一般的です。入居期間が長期化すればするほど、退去時に返還される金額が少なくなる傾向があります。
ほかにも施設ごとに、入居申込金や入居保証金などの項目が設けられているケースも存在するため、入居時の規約所や重要事項説明書はきちんと確認しておきましょう。退去時の返還対象外となっていることも想定されるためです。
| 認知症グループホームの月額費用
認知症グループホームの月額費用は、日常生活費と介護サービス費の合計金額が基本です。
日常生活費(一例)
項目 | 費用 |
居住費(賃料) | 60,000円 |
食費 | 40,000円 |
水道光熱費 | 15,000円 |
管理費 | 15,000円 |
日用品費 | 6,000円 |
合計 | 136,000円 |
日常生活費は認知症グループホームの所在する地域や施設ごとの設備により異なります。
介護サービス費(1割負担)
1ユニット(30日) | 2ユニット(30日) | |
要支援2 | 22,650円 | 22,290円 |
要介護1 | 22,770円 | 22,410円 |
要介護2 | 23,850円 | 23,460円 |
要介護3 | 24,540円 | 24,180円 |
要介護4 | 25,050円 | 24,660円 |
要介護5 | 25,560円 | 25,140円 |
介護サービス費は介護保険の自己負担額(1割負担)で算出しています。利用者の所得に応じて 2割負担や3割負担を適用。地域ごとに介護サービス費の金額が異なるケースもあります。
日常生活費+介護サービス費(1割負担)
前述した日常生活費と介護サービス費(1割負担)の合計金額を次の表にまとめてみました。
1ユニット | 2ユニット | |
要支援2 | 158,650円 | 158,290円 |
要介護1 | 158,770円 | 158,410円 |
要介護2 | 159,850円 | 159,460円 |
要介護3 | 160,540円 | 160,180円 |
要介護4 | 161,050円 | 160,660円 |
要介護5 | 161,560円 | 161,140円 |
この他に施設によってはサービス加算がプラスされる場合があります。サービス加算とは、通常よりも手厚い介護を希望する方のための制度です。
自己負担額1割の場合の主なサービス加算を以下の表にまとめています。
項目 | 1日あたりの費用 | 1ヶ月(30日)あたりの費用 |
初期加算 | 30円 | 900円 |
医療連携加算 | 39円 | 1,170円 |
認知症専門ケア加算 | 3円 | 90円 |
若年性認知症利用者受け入れ加算 | 120円 | 3,600円 |
サービス提供体制強化加算 | 18円 | 540円 |
看取り介護加算(死亡日) | 1,280円 | |
看取り介護加算 (死亡日から2日~3日前) | 680円 | |
入院時費用 ※月間で6日が上限 | 246円 | |
退去時相談援助加算 | 400円 |
| 認知症グループホームは生活保護受給者も入居できる?
生活保護法の指定介護機関の認知症グループホームであれば、生活保護受給者も入居できる可能性があります。必ず次の3つのチェックポイントを確認しておきましょう。
- 入居を希望する認知症グループホームが生活保護法の指定介護機関である
- 生活保護に対応可能な居室の数(施設の一部もしくは施設全体)
- ご自身の住民票が希望する認知症グループホームの所在する市区町村にあること
詳しくは市区町村の生活支援窓口やケースワーカー(生活保護担当)にご相談ください。
| まとめ
ここまで、認知症グループホームに関する以下の項目について紹介してきました。
- 認知症グループホームの施設の特徴
- 認知症グループホームの入居条件
- 認知症グループホームにて退去が求められるケース
- 認知症グループホームの費用相場
- 認知症グループホームは生活保護受給者も入居できる?
認知症グループホームにて共同生活を営むことで、認知症の進行を抑制することが期待できます。認知症グループホームの所在する地域に住民票を持つ方でないと入居できないため、施設によっては「入居待ち」となることも。
出典:厚生労働省 ”どんなサービスがあるの? – 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)”
厚生労働省 ”社会福祉住居施設の設備基準-居室面積基準等-”
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