生活習慣病を予防するための5つのポイントについてご紹介!

健康予防

 生活習慣病はその名の通り食生活や運動習慣などの生活習慣が深く関わっていることから、普段の暮らしを見直すことで予防ができます。とはいえ、「具体的に何をすれば予防できるの?」と疑問に思っている方も多いでしょう。そこで今回は、生活習慣病を予防するために押さえておきたい5つのポイントを紹介します。




| 生活習慣病とは

 生活習慣病とは、生活習慣が原因で起こる病気の総称のことです。食事や運動、睡眠などの影響を受けて発症し、動脈硬化や脳卒中など命に関わる病気を招く可能性があることで知られています。

 生活習慣病は、以前は 贅沢病や成人病とも呼ばれていました。しかし、遺伝によって発症する方もいること、成人でない方にも発症リスクがあることから現在は生活習慣病と呼ばれています。ただし、遺伝要素もあるため、本来は生活習慣病という呼び方も適切ではないとする声も少なくありません。


| 生活習慣病に関連する病気

 代表的な生活習慣病には、次のものがあります。

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 脂質異常症
  • 動脈硬化
  • がん

 高血圧では血圧が高い状態が続き、糖尿病では血糖値が高い状態が続きます。脂質異常症はLDLコレステロール(悪玉コレステロール)やトリグリセリド(中性脂肪)が増えすぎたり、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が減りすぎたりすることで発症するものです。

 動脈硬化になると、血管の弾力性が失われて詰まりやすくなります。がんは、喫煙や飲酒、食生活などが絡んで起こるものもあるため、実は生活習慣病の一つです。もちろん、生活習慣に関係なく発症するがんもあります。


| 生活習慣を予防するための5つのポイント

 生活習慣病を予防するためには、次の5つのポイントを意識することが大切です。

  • 食事
  • 運動
  • 睡眠
  • 飲酒
  • たばこ

 しかし、一度にすべてを見直すのは大抵の方が挫折してしまうかと思います。まずは食事から始めてみて、慣れたら運動や睡眠にも取り組むなど段階的に行っていくのがおすすめです。

 もちろん、余裕がある方は最初からできそうなものを複数行っても問題ありません。大事なのは、 挫折せずに継続できる環境を作ることです。生活習慣病の予防は一朝一夕にできるものではないため、数ヶ月や数年単位で続けていく必要があります。


| 生活習慣病の予防方法 食事ついて

 生活習慣病と食事には、密接な関係があります。たとえば、塩分の摂取量を減らすことが高血圧の予防につながるのは有名でしょう。

 日本高血圧学会は、一日の塩分摂取量を 6g未満にすることを推奨しています。尿中の食塩排泄量を一日平均11.8gから3.9gに減らした試験では、高血圧の患者さんで血圧が 5.51/2.88mmHg低下しました。

 脂質異常症の予防では、コレステロールの摂取量を控えたり食物繊維を多く摂ったりすることが大切です。コレステロールの摂取量は一日200mg以下を目指しましょう。 食物繊維は25g以上が目安&です。また糖質を摂りすぎないようにも気をつける必要があります。糖質は中性脂肪を増やす原因です。

 がんについても、高血圧と同様に塩分の摂取量が絡んできます。国立がん研究センターによると、日本人ががんになる原因のうち、男性では 3.0%、女性では 1.6%!–が塩分摂取によるものだそうです。

 また、野菜や果物の摂取量が少ないこと、熱い飲み物や食べ物を摂ることもがんの原因になるとしています。つまり、がんの予防には塩分摂取量を控えて野菜や果物を多く摂り、熱い飲み物や食べ物は控えることが大切です。


| 生活習慣病の予防方法 ②運動について

 運動も生活習慣病の予防には大切です。すでに生活習慣病になってしまった方にも運動療法が勧められるほど、運動には効果があります。体を動かす習慣がある方ほど、生活習慣病を発症するリスクが低くなるといわれているのです。

 とくに予防に有効な運動として、 有酸素運動が知られています。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、血管を強くしたり血糖値や脂質の値、血圧を改善したりする効果があるのです。

 また、体を動かすことはがんの発症リスクも低下させます。国立がん研究センターの研究では、身体活動量が多い方ほどがんになりにくいという結果が出ました。


| 生活習慣病の予防方法 ③睡眠について

 睡眠時間が慢性的に不足していたり、質の悪い睡眠が続いていたりすると生活習慣病の発症リスクが高まります。そのため、予防には睡眠にもこだわることが大切です。

 

 睡眠不足になると、食欲を抑えるホルモンである レプチンが減少します。その結果、食事量が増えて肥満になり、生活習慣病を発症するリスクが高まるのです。

 肥満は高血圧や糖尿病、脂質異常症のリスクを上げることがわかっています。実は、生活習慣病の患者さんでは、睡眠の質に問題がある方が多いことが以前からわかっていました。不眠症の方では血糖値を上昇させる糖質コルチコイドが過剰に分泌されることも明らかです。

 このように睡眠は生活習慣病と大きな関わりがあるため、日頃から質の良い睡眠を十分に取るよう心がけましょう。朝起きたら日光を浴びる、寝る前には強い光を避ける、寝る2~3時間前には入浴を済ませるなどが快眠のために効果的です。

 


| 生活習慣病の予防方法 ④飲酒について

 飲酒量を控えることで、さまざまな生活習慣病の予防ができます。飲酒の習慣がある方では、血圧が上がりやすいのをご存知でしょうか。

 飲酒量を制限すれば、わずか1~2週間ほどで血圧の低下が見られます。低下する幅は3/2mmHgtpごくわずかですが、飲酒は心房細動やがんの原因にもなるため、できるだけ控えましょう。

 血圧を管理するという点だけに着目すると、飲酒量は男性で 一日ビール中瓶1本以下、女性で ビール中瓶1/2本以下が推奨されています。

 飲酒は口腔がんや食道がん、肝臓がんや大腸がんなど、さまざまながんと密接な関係があるものです。アルコールそのものに発がん性があるほか、代謝されてできるアセトアルデヒドの影響でもがんのリスクが上がります。


| 生活習慣病の予防方法  ⑤たばこについて

 喫煙は、肺がんや咽頭がん、肝臓がんや子宮頸がんなどのリスクを上げる原因です。たばこには約70種類もの発がん性物質が含まれています。がんを引き起こすだけでなく、すでにあるがんの治療を妨げる原因にもなるため、喫煙はできるだけ控えてください。交感神経を優位にしたり血管を収縮させたりすることで、血圧を上昇させてしまうことでも有名です。

 「今さら禁煙を始めても遅いのでは」と思われる方もいますが、何事にも遅すぎることはありません。60歳で禁煙をすれば寿命が3年延びるといわれています。禁煙している期間が長くなるほどがんのリスクも低下していくため、早めに禁煙を心がけましょう。


| まとめ

 生活習慣病を予防するためには、食事や運動、睡眠や飲酒、たばこについて意識して過ごすことが大切です。塩分を控えることで血圧が下がり、野菜や果物を多く摂るとコレステロールが下がりやすくなります。

 身体活動量が多い方ほどがんになりにくいこともわかっているため、運動も積極的に行いましょう。運動は高血圧や脂質異常症、糖尿病の予防にも効果的です。

 睡眠が不足すると肥満になり生活習慣病につながりやすくなるため、質の良い睡眠を十分に取るように心がけてください。

 飲酒や喫煙もがんをはじめ、生活習慣病のリスクを上げる原因です。まずはどれか一つでもいいので、日々の生活のなかにうまく取り込んでいきましょう。

 


出典:    国立がん研究センター “科学的根拠に基づくがん予防-がんになるリスクを減らすために
    国立がん研究センター ”たばこととがん
            厚生労働省 ”高血圧”  e-ヘルスネット
    厚生労働省 ”睡眠と生活習慣病との深い関係” e-ヘルスネット
    厚生労働省 ”快眠と生活習慣“ e-ヘルスネット
    厚生労働省 ”アルコールと癌(がん)“ e-ヘルスネット

 

文/岡本 妃香里

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。